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デザイン4分で読めます
「ただの説明」を、見たくなるものに変える。
焼肉店の壁に描かれた、肉の部位と赤い炎。何げない説明が、思わず眺めたくなるデザインになっていました。情報の見せ方と、お店らしさについて考えます。
説明しているのに、説明っぽくない。
この写真を見て、そんなことを思いました。
壁いっぱいに描かれた牛や豚のシルエット。その下には「ギアラ」「ハツ」「コブクロ」など、焼肉の部位の名前が並んでいます。そして、ひとつひとつのお腹のあたりに描かれた赤い炎。思わず、これ何だろう?と眺めてしまうような壁です。
肉の部位に詳しくない私でも、つい目で追ってしまいます。こういうものを見ると、どうしても考えてしまうんです。これ、ホームページのデザインにも通じるな、と。
文字だけでも、説明はできる
例えば、お肉の名前や部位を伝えるだけなら、文字で一覧にすれば済む話です。「ギアラ(牛の第4胃袋)」「ハツ(心臓)」と書けば、必要な情報は伝わります。別に間違いではありませんし、それで十分という場面もあるでしょう。
でも、文字だけの一覧だったら、私はここまでじっくり見たでしょうか。おそらく、必要なところだけ読んで終わりだったと思います。
ところが、この壁は違います。黒い動物の形があって、赤い炎があって、手描きのような文字がある。ぱっと見た瞬間に、何だか楽しそうなんです。読む前に、まず見てみたくなる。ここが面白いところだと思います。
伝えることと、見たくなること。
似ているようで、実は少し違うんですよね。

炎があるだけで、気になってしまう
特に私が気になったのは、動物のシルエットに描かれた炎です。数が違うものもあって、何か意味があるのかな、と自然に考えてしまいます。
もちろん、この写真だけで炎の意味を決めつけることはできません。でも、そこが大事な気もするんです。興味を持ったからこそ、意味を知りたくなる。知りたくなれば、文字を読む。
つまり、デザインが情報への入り口になっているわけです。しかも、ただきれいに整えているだけではありません。壁の質感や、少し不揃いな文字、赤い大きな線まで含めて、この場所らしい雰囲気を作っています。
もしこれが、真っ白な紙にきれいな活字で印刷された一覧表だったらどうでしょう。同じ内容でも、受ける印象はきっと違うはずです。
ホームページも同じだと思う
ホームページを作るときも、伝えなければいけない情報はたくさんあります。お店の特徴、メニュー、サービスの内容、料金、営業時間。どれも大切なものです。
ただ、それを上から順番に並べただけで、そのお店の魅力まで伝わるかというと、私はそうではないと思っています。情報が載っていることと、その情報に興味を持ってもらえることは別だからです。
写真を一枚大きく見せたほうがいいのか。それとも、短い言葉を印象的に置いたほうがいいのか。説明を図にしたほうが伝わるのか。少し動きをつけることで、見る人の目線を自然に誘導できるのか。
こういうことを考えるのが、私は好きなんですよ。
もちろん、凝った表現をすれば何でもいいという話ではありません。文字が読みにくかったり、何を伝えたいのかわからなくなったりしては本末転倒です。大切なのは、見せ方が情報の邪魔をするのではなく、情報を届ける手助けをすることだと思います。
そのお店らしさは、壁にも出る
もうひとつ、この写真で好きなのは、どこか整いすぎていないところです。壁のひびや色むらまで含めて、ひとつの風景になっています。ピシッとそろったデザインではないのに、ちゃんと記憶に残る。
お店の魅力って、必ずしも立派な看板や豪華な内装だけにあるわけではないと思うんです。何げなく描かれた壁だったり、いつも置いてある道具だったり、店主が選んだ言葉だったり。そういうところに、そのお店の個性が表れることがあります。
そして、ホームページを作る側が見つけたいのも、まさにそういう部分です。どのお店にも当てはまるような、きれいなデザインを用意するだけでは、少しもったいない。
このお店には、このお店にしかない見せ方がある。そんなことを考えながら写真を眺めていると、壁一枚からでも随分いろいろなことを教えてもらえる気がします。
情報は同じでも、
伝わり方は変えられる。
焼肉の部位を説明するための壁が、こんなにも目を引くものになる。だったら、ホームページの中にある、ごく普通の説明だって、もっと面白くできるはずです。
見てもらうための工夫。読んでもらうための工夫。そして、あとからふと思い出してもらえるような工夫。
この写真を見ながら、改めてそんなことを考えました。
何でもない情報を、何でもないまま終わらせない。やっぱり、デザインって面白いですね。
NoëlWow代表
二瓶武士