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お店づくり4分で読めます
「うちには何もない」の中に、いちばん大事なものが隠れている
「うちには特別なものなんてない」と思っていても、第三者から見ると驚くような価値が隠れていることがあります。ホームページを作る前に見つけたい「その店ならでは」の話です。
ホームページを作るとき、私が最初に探すものがあります。それは、その店ならではの価値です。
01
「うちには、そんなに特別なものはないんです」
お店の方と話していると、こんな言葉を聞くことがあります。「うちは、そういう強みみたいなものがあまりなくて……」。でも私は、この言葉を聞くたびに、本当にそうかなと思います。
長く続けていること。お客様のために自然とやっていること。仕入れで譲らないこと。仕事の順番、道具の選び方、接客するときの距離感。本人にとっては説明するほどでもないことの中に、その店らしさが隠れていることがあるからです。
私は「売り」という言葉より、「その店ならではの価値」という言い方のほうが好きです。何か派手な特徴がなくても、その店を選ぶ理由になるものは、きっとどこかにあると思うからです。
当たり前すぎて、
自分では見えない。
02
毎日やっている本人ほど、気づきにくい
これは考えてみれば当然なのかもしれません。毎日やっていることだから、自分では「これぐらい普通でしょ」と思っている。何年も続けていれば、なおさらです。最初はこだわって始めたことでも、いつの間にか日常になっていきます。
だから「あなたのお店の強みは何ですか?」と急に聞かれても、なかなか答えが出てこない。すごいことをやっていないからではなく、すごいことが、自分の中では普通になっている。そんな場合があるんです。
自分ではわざわざ話すほどのことではないと思っている。でも外から見ると、「そこまでやっているんですか?」と思うことがある。お店をやっている本人と、お客様や第三者とでは、見えている景色が違うんですよね。
03
第三者だから見つけられるものがある
そこで大事になるのが、外から見ることだと思っています。
私はホームページを作るとき、いきなり色やレイアウトを決めるより、まず話を聞きます。「どうしてそうしているんですか?」「それはいつからですか?」「そこまでやる理由って何ですか?」。そんな会話を重ねていくと、何気なく出てきた一言に引っかかることがあります。
「それ、すごいことですよ。」
ところが本人は、きょとんとしていたりする。「え? これ普通じゃないんですか?」と。
この瞬間が、私は面白いんです。
自分のお店の中にずっとあったものなのに、外から光を当てたことで、初めて輪郭が見えてくる。新しく何かを作ったわけではありません。もともとそこにあったものを見つけただけです。
04
見つかると、デザインが見えてくる
「その店ならではの価値」が見つかると、不思議とホームページのデザインも考えやすくなります。
静かで丁寧な仕事を大切にしている店なら、派手な演出は必要ないかもしれない。人との会話が魅力なら、商品写真を並べるだけでは伝わらないかもしれない。仕事の積み重ねが魅力なら、完成したものだけではなく、その途中や考え方を見せたほうが伝わるかもしれない。
色、写真、文字、余白、動き。そういうものを先に決めるのではなく、「何を伝えるためのデザインなのか」を先に見つける。私は、その順番が大切だと思っています。
05
「売り」を無理につくる必要はない
ホームページを作るとなると、「何か目立つことを言わなきゃ」「他店にはないものを作らなきゃ」と考えてしまうことがあります。でも、無理に大きな言葉を作る必要はないと思うんです。
一番安い。一番速い。地域で一番。そんな分かりやすい言葉だけが、お店の価値ではありません。
お客様の話を急かさず聞くことかもしれない。見えないところまで丁寧に仕上げることかもしれない。毎朝欠かさずやっている準備かもしれない。何年も変えずに守ってきたやり方かもしれない。
本人にとって「普通」の中に、その店を選ぶ理由が隠れていることがあります。
特別なものを足すより、
すでにあるものを見つける。
06
だから私は、まず話を聞きたい
ホームページ制作というと、パソコンに向かって作る時間を想像するかもしれません。もちろん実際に作る作業は必要です。でも、その前の時間も同じくらい大事だと私は思っています。
お店のことを聞く。仕事のことを聞く。何を大切にしてきたのかを聞く。そして、本人が何気なく話した言葉の中から、その店らしいものを拾っていく。
「うちには何もないですよ」と言っていたところから、最後には「そうか、これってうちらしさだったんだ」と見えてくる。その芯が一本見つかれば、ホームページはただ情報を並べたものではなくなります。その店の空気や考え方まで、少しずつ伝えられるものになっていく。
どこのお店にも、きっとあります。
「ここは!」と思える、その店ならではの価値が。
ただ、それがあまりにも日常の中に溶け込んでいて、自分ではまだ気づいていないだけなのかもしれません。
NoëlWow代表
二瓶武士